宗教哲学

玉虫厨子の謎6 後ろの正面だあれ編2

迦葉菩薩、仏に白して言さく、『世尊、仏の讃じたまふ所の如し、「大涅槃経は猶し醍醐の如く、最上最妙なり。若能く服する有れば、衆病悉く除く。一切諸薬は悉く其の中に入る」(中略)「世尊、我今において、実に能く 皮を剥ぎて紙と為し、血を刺して墨と為…

玉虫厨子の謎5 後ろの正面だあれ編

明智光秀 本能寺の変より11日後山崎の戦いにやぶれ、坂本を目指し敗走途上の小栗栖で、落ち武者狩りの土民(小栗栖の長兵衛)に竹槍で刺し殺された三日天下である(漫画は井上雅彦『バガボンド18』より164落ち武者狩り この舞台は関ヶ原) 件の「かごめか…

玉虫厨子の謎 番外編 ebapon、白龍になる

ponの今日の収穫。 で、 見つけた 天女の羽衣。 むふっ 沐浴中の天女 むふふっ 沐浴中のメロディ・ガルドー嬢 おふろでもメガネなのね。(youtube MELODY GARDOT OFFICIAL VIDEO Baby I'm A Fool) 確かに、Baby I'm A Fool 羽衣返さないってだだこねる白龍…

玉虫厨子の謎4 帝釈に見捨てられし天女篇3

写真は帝釈天の乗り物「白象」乗り捨てられている。まあ、現代でいったらベンツのSLKそれすらも、天人五衰・・・・・ さて、雪山童子が身を以て求めた真実の教え雪山をしてその偈を問わしめた帝釈天 帝釈天について袴谷憲昭さんは次のように述べている(この…

玉虫厨子の謎3 帝釈に見捨てられし天女篇2

涙の露の玉鬘 挿頭の花もしをしをと 天人の五衰も 目の前に見えて浅ましや羽衣天人五衰六道輪廻に苦しむ衆生そのなかでは「快楽きわまりまし」と云われる (写真は 国宝六道絵 部分) 天道しかし「命終の時に臨みて五衰の相現ず」一は、頭の上の華蔓たちまち…

ゆさぶり

(写真はponの大先輩、藤元正樹師の講義録)来週から、ponの浄土論講義が始まります。とっかかりは、玉虫厨子(厄介な問題が一つあるのですが・・・)結論部が見えてきたので、細部の詰めを現在しています。 何か話がまとまってきたので面白くないのでこんな…

玉虫厨子の謎2 帝釈に見捨てられし天女篇

雪山童子の前に姿を現した羅刹その正体は帝釈天羅刹はその変化身であった。 ヒマラヤ山中の苦行者雪山童子 帝釈是れを見て思はく、「魚の子は多かれど魚と成るは少なし。アンラの花は滋けれども菓子を結ぶは希なり。人もまた是の如し。心を発す物は多かれど…

玉虫厨子の謎 ゼペット爺さん登場 篇

昔、独りの人有りて雪山(せっせん)に住みき。名付けて雪山童子と云ふ。薬を食い菓子(このみ)を取りて、心を閑にし道を行ふ。(略)其の時に、仏、世にい坐(ま)さざりしかば、雪山童子普く大乗経を求むるに、能はず。 「諸行無常、是生滅法」と云ふ音(…

グリフィスとラクシャス2

ベルセルクのことは、ぼうのちちさんにまかせよう。ここはグリフィスとラクシャス就中、夜魔ラクシャスがグリフィスに近づく目的を仏教に問う。「白い鷹」グリフィスを思わす、ヒマラヤ山中の苦行僧雪山童子そのバラモンに近づき、あることを試さんとする羅…

グリフィスとラクシャス

ponは現在、インド神話におけるラクシャス(羅刹)について、調べている。ラクシャスはまた梵天の一として、仏教を護持養育していく存在でもある。ラクシャス研究第一人者といえば国際仏教学大学院大学の伊澤敦子先生 黒ヤジュル・ヴェーダ・サンヒターにお…

専門書の壁

京都にいるときは、図書館が充実していて専門書に苦労しなかった。宗門の大学は閉架式で、一々請求しなくてはならないのが面倒ではあった。一度に請求できるのは確か5冊ほど。で、いつも2〜30枚ぐらい前もって作っておいて、週に一度、朝から一日かけて…

その男、宗教の敵か味方か?

ponは現在、大急ぎで、大乗と言うこと、また回向概念について調べている。一番参考にしているのは袴谷憲昭先生の『仏教教団史論』(大蔵出版)畏れ多いことだが、この著を批判的に考察している。で、先生が言及なさっている論書に目を通している。そのなかで…

犬神人 補遺

(18禁です)聖人(源空=法然)、往生十五年ののち、後堀河の院の御宇、嘉禄三年の夏、山僧せん議していはく、専修念仏を停廃すべし。ただし、その根本たるによりて、まづ源空のおほたにの墳墓を破却して、かの死骸をかもがはにながすべしと。云々。奏聞…

犬神人、あるいはカロンの言葉 終章

カロンは、エウメネス幼少期の従者(奴隷)。エウメネスは、アレクサンドロス大王の書記官である。カロンは架空の存在(漫画『ヒストリエ』岩明均 の登場人物)であるが、そもそも古代ローマ(幼少期の舞台はギリシャであるが)の奴隷で歴史上名を残したのは…

犬神人、あるいはカロンの言葉 4

河田光夫によれば、犬神人は「火葬を見ているんじゃないんです。当時、犬神人の葬式での職能というのは、どうも輿をかつぐところに限定されるようですが、そういう職能とは関係なく、ここに来ている」、と。 (既出『親鸞と被差別民衆』)ebaponは、親鸞と犬…

犬神人、あるいはカロンの言葉3

洛陽東山の西の麓(ふもと)、鳥部野(とりべの)の南の辺(ほとり)延仁寺に葬したてまつる。遺骨を拾ひて、おなじき山の麓、鳥部野の北の辺、大谷にこれををさめをはりぬ。親鸞聖人伝絵 第六段 洛陽遷化 である。 上洛の如信やあの『歎異抄』の唯円から法…

玉虫厨子の語りかけるもの1

一昨日の昼、門徒さんが門を叩く。「娘が、今日明日で・・・」 夕食後も、衣のまま書斎で端座して待つ。時々、銀座の村松をみる。まもなく、11時になるか、とつぶやきしばらくして、もう一度時計をみる。同じ時刻を示している。あ、止まったな、っとおもっ…

犬神人、あるいはカロンの言葉2

ebapon寺のおこう(お講料理)法話を戴いたご講師はsato先生。今日は自然法爾の話をされた。けっして肩に力の入らぬやさしいご法話。奥様は研究室に参加されていて、ボヤッキーn川君と大の仲良し。板書の中に、先生から、n川君にメッセージが。ちょっと読み…

犬神人、あるいはカロンの言葉1

報恩講のお荘厳の中で、大事なのは親鸞聖人の御生涯を描いた「ご絵伝」聖人の33回忌にひ孫覚如が著した十三段の絵物語。(絵は浄賀法眼)晩年に原本は焼失され、覚如はご絵伝を十五段に改訂し再び著した。(絵は浄賀法眼の子や門人)東本願寺系の寺院は、…

トナカイの糞

もうまもなく年を越そうというのにクリスマスネタで恐縮。トナカイの糞のことを考えていたら、おもしろいニュースが。Zoo sells reindeer dung tree ornamentsイリノイ州のとある動物園が、トナカイの糞を加工してクリスマスのオーナメント(飾り)を作り販…

明日はいよいよ

と、その前に、今日はサボサボ君の宗教哲学講義(写真は休憩時間にぱちり)サボサボ君は、深い瞑想にはいると手がぷるぷる震える。その震える手でたばこを吸うので灰が飛び散る。それでも、お構いなく講義を続ける。一度、熱いうどんを食べている最中、瞑想…

いよいよ明日から

明日からサボサボ君の宗教哲学講座が始まるサボサボ君には事前に『成唯識論』の講義を依頼していた。 (たまご王子は死んじまったので、上の青い本は封印されている)長い熟考期間を経て、サボサボ君の返事。 「アビダルマ思想の講義をします」 ということで…

ebapon、維摩居士と囲碁を打つ

ebaponの宗教哲学の中で、キーパーソンとなるのが僧肇である。その中核思想は肇論(物不遷論・不真空論・般若無知論・涅槃無名論ほか)で知ることができる。別にebaponが重視しているのは、『注維摩詰経』である。(写真は 大正大学綜合仏教研究所注維摩詰経…

サボサボ君の阿毘達磨哲学

いよいよ、満を持して、サボサボ君のアビダルマ哲学の講義が始まります。今日は、その打ち合わせ。

「外部の異質なるもの」としての「凡夫ゆきやすき道」

(写真は怪獣wiki特撮大百科事典より「蜃気楼怪獣パラゴン」) 湯布院で会議。少し早めに出かける。会場の近くにはジャズ喫茶があり、パラゴンを鳴らしているという。(現在、ebaponはJBLオリンパス復活を目論んでいるが、構成の似ているパラゴンの音を少し…

 外部の異質なるもの(番外)唐獅子牡丹篇

中野区では、今血腥いことが起きているけど 昔、k叔母が、中野区の友人宅にいたとき、来客を報せるチャイムが。叔母が玄関まで出ると、そこには全身黒ずくめで、ベレー帽を目深にかぶった男が立っていた。 (写真は『昭和残侠伝 唐獅子牡丹) 男はやおら帽…

 外部の異質なるもの4

ebaponの宗教哲学の手を半年止めた 「外部の異質なるもの」 (『寄生獣』2より)その突然の遭遇は、見知らぬ他者との出会いの形をとらず「新一」において「母なるもの」として不可避的に出遇わなければならなかったようにきわめてインティメートな相貌をと…

外部の異質なるもの3

1945年の12月のある日、エジプトの小さな町の農夫ムハンマド・アリーは「マック・ザ・ナイフ(モリタート)」を口ずさみながら、山の麓まで鍬を担いで肥料取りに出かけた。本当は、「セント・トーマス」だったらもっとよかった。 彼はなんと、エウアン…

ebapon、「きたなまろ」になる 終章

「さねかずら」 (季節の花 300」 http://www.hana300.comより) さて、どちらも叡山出身の僧ということで、前例どおり「藤井」姓となった法然と親鸞。「名(みょう)の字」は、元彦と善信と賜っている。 法然の「元彦」。井上円氏は、源空の「源」の字は…

ebapon、「きたなまろ」になる2

最近、ebaponが常識だと思いこんでいたことが、覆されることが多くなった。もちろん、ただ勉強不足なだけだろう。世間では知られていることかもしれない。 (写真は、奥富敬之『名字の歴史学』角川選書)ebaponは教科書通り「江戸時代の庶民は、苗字・帯刀が…