かえるくんの消滅、あるいはたまごおうじの死


 昨年、7月27日 たまご王子から、「残念なお知らせ」としてメールが来た。

 おうじは、悪性周皮腫に冒されたこと、治癒は不可能だが

 進行は遅く、自然療法に専念する旨であった。

 最後の


「希望は捨てていない」


 という言葉が、力強さを持っていた。


 その病気について、ネットで調べてみた。


 不安の影がよぎる。


 
 いつも通り研究成果を添付したメールは発信された。

 そのメールも「ちょっと入院します」のメールを期に

 届かなくなった。


 これは、もしやと思い、共通の友人「さぼさぼ」くんに様子を訊ねる。


 「彼はホスピス病棟に入院している」

 「お見舞いに行きたいのだが」

 「面会謝絶です」


 後日、病棟での彼の最後の講義の様子が新聞に掲載されていた。

 見る影もなくやせ細っていた。





  
 (映画は『マシニスト』 サブタイトル(字幕)は「それいじょうやせたら死ぬわ」となっている)   


 不眠で激しく消耗したトレバーに、娼婦と同じ台詞を、

 ウエイトレスのマリアは口にする



 If you were any thinner, you wouldn't exist.




 「そんなにやせたら消えちゃうわよ」