ebapon、玉と砕ける


遂に出撃の時が来た。


この日を迎えるに


あまりに年月がたちすぎたかもしれない。



(どちらも大叔父の遺品)


短刀を前にして、沈思黙想するebapon。



6歳の娘が不審がって近づく。




「この帽子と刀で何をするの」




「仕事だ」


 


「悪い人を殺すの」





「・・・・・」





出撃するのだ。零式艦上戦闘機に搭乗して。


エンジンの空冷は祖父が作っていた。


ebaponがかつて暮らしていた部屋は


特攻隊員が最後の時を過ごした部屋でもある。



不思議な因縁だ。



見事「華」と散ったら、


松ちゃんのように


ebaponも「大日本人」と言ってもらえるのだろうか。


(映像は鳥肌実『玉と砕ける』より)