ぶージー死す

それは長雨が続いたある日のことであった












(漫画はしりあがり寿弥次喜多in DEEP4』BEAM COMIX)




惜しい友を亡くした。



友人一同皆口をそろえて言う。





「いだいな男だった」






(たしかに胃大であった)





何よりも家族を愛する男であった。


生前、こう尋ねたことがある。


「家族と仕事どっちが大事だ」


しばらく考え込むぶージー


 「・・・家族・仕事、の順番だ」



「ん?↑この・・・・は、なんだ?」






もう何年も前の夏のことだ。


花火大会を撮影し終わって、機材を抱え

娘さんを連れてぶージーが遊びに来たことがある。


大人の話に飽きて娘さんは椅子に座りながら足をぶらぶらさせていた。

と、バランスを崩し椅子ごと倒れそうになる。


父である。



ぱっと、娘に駆けより


娘を押しのけ


その先にあるカメラをがしっと抱えた。



怒る娘


「いやこのカメラは本当に高い」


と父。




『「・・・家族・仕事」の点々も省略しないで言いなさい』


しぶしぶ、洗いざらい言うぶージー


「グルメ・オーディオ・車・カメラ・家族・仕事・スポーツ・あいじ・・・」


「あ、その先はいわなくていいから」