有名なアイラ・ギドラーのライナーノーツの一節を昨日引用した。
ロリンズをロードス島の巨人(Colossus of Rhodes)に準えた文章だ。
この一行だけ引用した。後の文を引かなかったので、続ける。
・・・地震でぐらつくことはない。彼はロードス島に住んでいるわけでも
(地震の多い)カリフォルニアに住んでいるわけでもない。(訳は竹内克巳さん)
ところで、セント・トーマス。
ロリンズのオリジナルで、母の生まれ故郷セント・トーマス島の
カリプソソングをもとに即興で演奏したものだ。
セント・トーマスといえば You are such a doubting Thomas!
(疑り深い人ね)の代名詞、12使徒のトーマス
(ちなみにトミフラもトーマス・フラナガン)
イエスとは双子の兄弟とも言われている。
イエスの復活を自分の目で確かめるまで信じなかったお弟子。
わたしは、その手に釘あとを見、わたしの指をその釘あとにさし入れ、また、わたしの手をそのわきにさし入れてみなければ、決して信じない
昔、高村光太郎の『美とはなにか』を読んで、この一節に出会った。
その時は、セント・トーマスのこととは知らなかったし
まして、真宗とのつながりも知る由はなかった。
高村光太郎の詩
蝕知
或男はイエスの懐に手を入れて
二つの創痕を撫でてみた。
一人のかたくなな彫刻家は
万象をおのれ自身の指で触ってみる。
水を裂いて中をのぞき
天を割って入りこまうとする。
ほんとうに君をつかまへてから
はじめて君を君だと思ふ。