玉虫厨子の謎2 帝釈に見捨てられし天女篇

雪山童子の前に姿を現した羅刹

その正体は

帝釈天

羅刹はその変化身であった。


ヒマラヤ山中の苦行者

雪山童子


 帝釈是れを見て思はく、

「魚の子は多かれど魚と成るは少なし。アンラの花は滋けれども菓子を結ぶは希なり。

人もまた是の如し。心を発す物は多かれど仏に成るは希なり。

惣て諸の菩提心は、事に触れて動き安く苦びを恐りて励みがたき事、

水の内の月波に随ひて動き安く、鎧を着たる軍の戦ふに臨みて恐りて逃ぐるが如し。

此の人の心をも行きて心見て知るべし」と念ふ。
 (三宝絵 既出)


帝釈の動機は、あきらかである。

しかし、ウラン袴谷憲昭先生は、ゼベットもまた操られているという。


「ボラー」


帝釈にはもう一つ隠された動機があるという。

それは、



天人五衰

(つづく 後ろの正面だあれ編はまだ後でした)