迦葉菩薩、仏に白して言さく、
『世尊、仏の讃じたまふ所の如し、
「大涅槃経は猶し醍醐の如く、最上最妙なり。若能く服する有れば、衆病悉く除く。一切諸薬は悉く其の中に入る」
(中略)
「世尊、我今において、実に能く
皮を剥ぎて紙と為し、血を刺して墨と為し、髄を以て水と為し、骨を折りて筆と為して
是の如き大涅槃経を書写し、書し已りて読誦し、其をして通利ならしめ、
然して後、人の為に広く其の義を説くに堪忍す。」
(大般涅槃経 十四巻 聖行品7の4 国訳一切経涅槃部一 p301より)
まさに苦行者
大迦葉
この彼の言葉を聞いて、釈迦牟尼仏は
「施身聞偈」の譬えを説法する。
ところで、釈迦の入滅をモチーフとした涅槃経。
史実として、その会座から大迦葉は除かれている。
遠くに遊行中で、立ち会えなかったのである。
(よって迦葉菩薩は、大迦葉に模された存在)
もう一人除かれているのは
同じく、脇士としている
仏弟子の君
「ん、なんだ?」
「あぁなんだ」