玉虫厨子の謎6 後ろの正面だあれ編2

迦葉菩薩、仏に白して言さく、

『世尊、仏の讃じたまふ所の如し、

「大涅槃経は猶し醍醐の如く、最上最妙なり。若能く服する有れば、衆病悉く除く。一切諸薬は悉く其の中に入る」

(中略)

「世尊、我今において、実に能く

 皮を剥ぎて紙と為し、血を刺して墨と為し、髄を以て水と為し、骨を折りて筆と為して

 是の如き大涅槃経を書写し、書し已りて読誦し、其をして通利ならしめ、

 然して後、人の為に広く其の義を説くに堪忍す。」

   (大般涅槃経 十四巻 聖行品7の4 国訳一切経涅槃部一 p301より)


まさに苦行者


大迦葉

この彼の言葉を聞いて、釈迦牟尼仏

「施身聞偈」の譬えを説法する。


ところで、釈迦の入滅をモチーフとした涅槃経。

史実として、その会座から大迦葉は除かれている。

遠くに遊行中で、立ち会えなかったのである。


(よって迦葉菩薩は、大迦葉に模された存在)


もう一人除かれているのは

同じく、脇士としている


仏弟子の君


「ん、なんだ?」


「あぁなんだ」



(写真は五百羅漢寺  西村公朝『釈迦と十大弟子』より)