ウエストコーストジャズの立役者となるジェリーマリガンは
そのスタイルは一世を風靡した。
1952年のことである。
当時、鍵盤楽器を欠いたリズムセクションってのは考えられなかったが
単純に、いざとなれば、ジェリーマリガンかボブ・ブルックマイヤーどちらかかが
ピアノを弾けたからかもしれない(笑
そんな、ジェリーマリガンが、1956年、ニューヨークに戻り
なぜ、あえてセロニアス・モンクとセッションをしたのか。
ビル・クロウの回想録『さよならバードランド』を見ると
その頃の状況がよく分かる。
ある日、ジェリーマリガンがスタジオにセロニアス・モンクを連れてきて
一緒に演奏した。
「何か、新しい刺激が欲しかった」からである。
モンクは訥々とラウンド・ミッドナイトを弾きはじめ、何度も繰り返す。
皆、それに併せ各自の演奏スタイルを模索しながら練習していったそうである。
「モンクさん。オリジナル曲はとても勉強になるけれど
難しいので、ちょっと疲れてきました(笑
息抜きにスタンダードナンバーを一曲やりませんか」
モンクはおもむろに
「ティー・フォー・トゥ」を弾き始める
・・・・・
一同、爆笑
そこで演奏されたのは
まったくモンクオリジナルの「ティー・フォー・トゥ」だったからだ。
うーーーん、なんかとても楽しそう。
そんな、ジェリーマリガンが、モンク・トリオに単身乗り込んだのが
マリガン・ミーツ・モンクだったんだね。