[身辺雑記]SO WHAT

大般涅槃経の南本?が届き、新国訳大蔵経の涅槃部5巻がそろった。

(北本は収録されていないが、異本ではなく、再治本の南本が取り上げられている)

話は、原始仏教の『大乗涅槃経』なんだが、

先日、話題にあげた、仏教&文芸「ジャズ」の福田直子さん。


パーカーやコルトレーンは好きで、語録を紹介していたけれど

マイルスはどうもお好きでない。



マイルス・デイビス。とても人気があって、有名で、偉大な人。

ところが、私はマイルス・デイビスに何の関心もない。

しかし、そのマイルスにおもしろいことを教えてもらった、と思っている」



強いてマイルスの語録をあげるとすると

「ソー・ホワット」

「だからなんだっていうんだ!」という意味のマイルスの高圧的な口癖だそうである。

(まあ、マイルスが関西人だったら、浜ちゃんのように

「なんでやねん」と頭を小突く程度であっただろうけど。)


で、福田さんが、マイルスに教わったのはモード奏法。

アフリカ音楽に特徴的な

「コール・アンド・レスポンス」形式だ。


西洋に教会旋法があるようにインドではラーガという旋法が何万種類もある。

原始仏典にもラーガ形式があって、たとえば

大般涅槃経』第一章には

ヴァッジ族の七不衰退法ってのがある。


世尊は尊者アーナンダに話しかけられた。

「アーナンダよ、(省略)聞いていますか」

「世尊よ、(省略)聞いております」


「アーナンダよ、(省略)衰退はありません。
アーナンダよ、(省略)聞いていますか」

「世尊よ、(省略)聞いております」


「アーナンダよ、(省略)衰退はありません。
アーナンダよ、(省略)聞いていますか」

「世尊よ、(省略)聞いております」


「アーナンダよ、(省略)衰退はありません。
アーナンダよ、(省略)聞いていますか」

「世尊よ、(省略)聞いております」


「アーナンダよ、(省略)衰退はありません。
アーナンダよ、(省略)聞いていますか」

「世尊よ、(省略)聞いております」


・・・・・・


とまさにモード奏法


これこそ、「コール・アンド・レスポンス」形式とさとったそうである。


ponも、ややもすると地味で単調なんで読んでいて眠くなるんだけれど

モード奏法と思えば目も覚めよう。

ということで、

「カインド・オブ・ブルー」を聴きながら、原始仏典を読むことにする。


(本当は、オリジを聞きたいのだけれど、未入手なんで

SACDマルチで聞いています)