ちょうど13年前2月18日、かえるくんは「みみずくん」と
壮絶な闘いをした。
闘いのさなか、かえるくんはドストエフスキーの
『白夜』を思い出す。
「フョードル・ドストエフスキーは神に見捨てられた人々をこのうえ
なく優しく描き出しました。
神を作り出した人間が、その神に見捨てられるという凄絶な
パラドックスの中に、彼は人間存在の尊さを見いだしたのです。」
(村上春樹「かえるくん、東京を救う」)
「そのときドストエフスキーがのそりはひつてきた」
「彼は恐らく知っているだろう。
おれたちみんながふんでいる床に一枚の鐵盤があって。
それをひらくと鐵の梯子。
ガランとした倉庫のあることを。
青ぐらい鬼の色がそこにいる。その下は土。ずうと下は地軸。」
ebaponはまだ『アンナ・カレーニナ』を読んでいない。
(写真は角川文庫版『白夜』)