皆さんは、ここに生きる道をお見出しになって精進されんことを望みます。
皆さんは自分がわるくて病気になったのではないのだが
国家のために、多くの同胞のために、ここに家を離れて病気を保養しておるのである。
皆さんが静かにここにをらるることがそのまま沢山の人を助けることになり
国家のためになります。だから皆さんが病気と戦うてそれを超越してゆかれることは、
兵隊さんが戦場に働いてをるのと変わらぬ報国尽忠のつとめを果たすことになるのであります。
皆さんはどうぞこの積極的な意義に目覚めて元気よくおくらしになるように念じます。
暁烏敏「入園者の行くべき道」『愛生』6号1934年
小笠原登や三浦参玄洞らが国策としての絶対隔離政策に真っ向から反対している最中
わが宗門の暁烏敏は、隔離政策の推進者光田健輔の招きで上記のような講演を行っているのである。