レヴィナシアンあるいは「呪われるべき存在」番外編

 Know thyself


 ebaponが宇佐神宮で神託をうけてから三週間が過ぎた頃


 ○○と名告るうら若き新聞記者の取材を受ける


 手渡された名刺には 禰宜 


 (うぬ、ね・ぎ? 名告ったナとは違うが。


  おお、神託のことか。

  
  ならば、確かに承ったで御座る)



 記者は何事もなかったごとく、質問を始める。


 内容は、この地に数十年前起きた痛ましい事故の件である。


 ebaponは知った限りのことを伝える。


 記者はしっかりメモして帰っていく。


 その姿を見送りながら、ふとebaponは一抹の不安にかられる。


 彼女はebaponのナを訊ねたが歳は聞かなかった。

  
 ebaponは実年齢より、かなり老けてみられるのである。


 実は、事故の起きた時はebaponは3歳。しかも、この地にはまだいなかった。





 「古老が語る生々しい事件の様子」




  (うーむ)

 


 
  その記事は見ないことにしよう。




 (事故のことは本に纏められた方がいるそうです。いずれ紹介します。

  写真は、野田正彰著『喪の途上にて― 大事故遺族の悲哀の研究 ―』講談社

  事故とは直接関係ありません)