庖丁人、一角太郎の廃業はebapon寺だけではなく、町内会にも衝撃が走る。
ebapon寺では、お正月のお節から、布教師の接待や寺の法要の弁当までお世話になった。
町内会では、音屋のはな虫さんの釣った魚を捌いてもらい、宴会をしていた。
(こういう贅沢はできなくなるのかなぁ。
まあ、廃業といっても包丁をそっと置いて立ち去るわけではないからね。)
で、一角太郎君はすこぶる元気!
先日は、大ファンであった中村梅之助とご対面。
自慢の出汁巻きも差し入れした。
梅之助さんも大満足。
ところで、件の出汁巻き。
若い頃京都の老舗で修行を積んでいた太郎君。もちろん先輩から教わることなく、目で覚え、何度も試行錯誤し、完成させ、その先輩から合格をもらった、逸品。
大分でも、いいカツオや昆布を使い一番出汁で作っていた。
さて、大分県人、何故か出汁巻きを出すと、どばどばとたまり醤油をかけようとする。
太郎君「あ、お客様、最初はそのままでお食べ下さい」
さて、さて、中村梅之助である。
もちろん、何もかけず食する。通である。
で、座員にも勧める。
おもむろに醤油を全体にかけようとする座員。
間髪入れず、
「おい!」
と怒鳴る梅之助。
「男だったら一つにかけろ」
あ、銭形親分は大川橋蔵だったっけ