沢知恵1

通常ponは、研修会や講演会の時、上の真宗聖典を携行する。

きょうは、ブラウロックS木さんのお誘いとあって、聖書を持って行くことに。

一部は主催が「日本聖書協会」とあって、設立の歴史などを映像でレクチャー

とても眠かったのだが(失礼)

二部の「沢知恵コンサート」では目が覚めた。

アカペラでアメイジング・グレイス

二曲目からはベーゼンドルファーのGPを弾きながら黒人霊歌を歌う。

おどろいたのは

三曲目

アン・サリーのカバーが印象的だった

「こころ」

(わたしのこころは湖水です

 どうぞ 漕いでお出でなさい

 ってやつです)

沢知恵さんが作曲したものであったのか!

更に驚いたのは

「この歌の詩は祖父が翻訳したものです」

「祖父の名は金素雲


キ、キムソウン!?


コンサート終了後急いで家に帰り

書棚を探す

あった!

河上徹太郎がほめていたので

前に購入して読んだ金素雲の『乳色の雲』

件の詩をさがしたけれど、これには収録されていなかった。

たぶん、もう二冊ある金素雲の翻訳本にあるのだろう。


この詩は金東鳴の作品だそうだけれど、『朝鮮詩集』にも似た詩があった。



金起林「ガラス窓」

ねえ ー 

わたしのこころはガラスかしら、冬空みたいに

こんな小さい吐息にも、ぢき曇つてしまふ。


触ればまるで鐵のやうで そのくせ、

ただ一夜の霜にも罅が入るもの


吹雪の日は音立てて鳴り、

夜の退いたあとは頬一ぱいうるほふ泪。

燃えあへぬ情熱、こうもりたちの燈台

夜毎の星を羨んでは仰いで明かす ー。



ねえ ー

わたしのこころはガラスかしら、

月の光にさへ こんなに砕けてしまふ。