ひぃ〜さんのウツボ2 6本指の猫をめぐって篇3

ponがまだ、東京で「20世紀少年」的生活をしていた頃、

よく銭湯に行っていた。

(写真は昨日の朝日新聞夕刊から)


「おはらしょうすけさんはあ〜」と極楽気分のpon。

と、突然

「おい、坊主。桃太郎の指の数は何本か知っているか」

と訊ねられる。

吃驚して咳き込むebapon


「ごほん、ごほん」


「5本ではない。坊主、良く数えてみろ」


と後ろのペンキ絵を指さす。


「おお、6本!」



それから、あちこちで桃太郎を見ては指の数を数える。

5本なのである。


謎なのである。

銭湯のおいさんに理由を聞いておけば良かった。


探偵ナイトスクープに何度も応募しようと思った。


で、年をとると自ずと学がついてくる。

恥ずかしいものである。


「桃太郎は、桃から生まれた果生型で語られるが、異本には爺婆回春の結果生まれたともある」

「回春といえば、神仙思想で、道教の尽界は6である」

「尽界は東西南北上下の六方であらわされている。世界一というのは尽界一を意味しよう。ちなみに仏教はそれに東南・東北・西南・西北の四維を加え、十方という」



年はとりたくないものである。


六本指


多指症である。

ponはその名を確かブラックジャックで覚えたが、今は確かめられない。


そういえば、多指症と噂された人に



サリンジャーがいた。



(つづく)